本体の高さ170.5cm。藤原時代作。大正2年8月国宝指定。
頭部に宝髺(ほうけい=もとどり)があり、天冠台をつけます。
面部は豊顔、平安前期の神秘的な表情はなくなり、優雅な円満具足の相をそなえているところに平安後期のすぐれた
特徴ががよく現れています。
目は木眼、額(ひたい)の白毫(びゃくごう)は水晶をはめてあります。左手に蓮花を持ち、
右手は施無畏の印をむすんでいます。
右肩から斜に袈裟(けさ)をかけ、腰に裙(もすそ)をまとうています。
台座(後補)は塗箔三重座で、蓮花座は二辺切付、反花(そりばな)はクルミ形、框座(かまちざ)は円形六方入角。
光背(後補)は輪光で塗箔してあります。
本体の高さ174.6cm。藤原時代作。大正4年8月国宝指定。
聖観音立つ像と同じく平安後期の作。全身に彩色が施してあったらしく、作られた当時の美しさが想見されます。
面部は豊顔、平安後期独特の作風である。眼は木眼、頭部には十一面小仏を頂き、天冠台をつけいます。左手には蓮花の水瓶を
持ち(後補)右手は下に伸ばして施無畏の印を結んでいます。
左肩から袈裟を斜にかけ、両肩から縄衣(てんい)を垂らし、腰に裙をまとうている。
台座、光背ともに後補。
台座は塗箔六重座、二辺切付の蓮弁、框座は朱塗。光背は塗箔、船形で雲煙を彫刻し中央に八葉をつけています。
昭和51年3月31日三重県文化財に指定。平安後期の作。
本体の高さ1.43m。頭部は螺髪(らはつ)で肉髻(にくけい)をつける。
病気を平癒し心身の健康を守って下さる仏様。
平安後期らしい豊顔。目は木眼、白毫は欠けています。左手に宝壺を持ち、
右手は屈臂外掌している。足は右足を上に結伽趺坐(けっかふざ)。
昭和54年3月31日三重県文化財指定。本体の高さ127cm。
平安後期又は鎌倉初期の作。
螺髪で肉髻をつけています。顔面は豊顔、眼は木眼、白毫は欠けています。
左右の手は印を結び、足は右を上にして結跏趺坐しています。台座は仮作、光背がなく、
虫蝕の多いのが惜しまれています。
弥勒寺の本尊はもとはこの弥勒菩薩で寺名の由来ともなっています。
昭和37年4月6日名張市文化財に指定。
鎌倉または室町期の作で等身大の寄木造り。
近隣に例のない県下最大の仏様です。
すきとおった玉眼は、けいけいと睨み、は大きく開き、わずかに彩色の残った赤い唇から白い歯がむきだしている。
力強い写実的な作風であります。
この他、県文化財 薬師如来坐像、市文化財 役行者倚像、聖観音、広目天、多聞天、不動明王、倶利伽羅。軸では、八方にらみの理源大師像、三宝荒神、釈迦涅槃図など多数が所蔵され、礼所巡りや仏像鑑賞には欠かすことができません。
明治42年頃、村民の間で仏像八対を骨董商に売却する話が持ち上がりましたが、反対論が出て無事救われたという話が残っております。
尊像の価値と共に、村人の厚い信仰心が伝わり、今に受け継がれています。